ルーティンが続かないのはなぜ?
理由の 1 つは、ルーティンのきっかけになる場面が、日によって変わってしまうことです。習慣は、「朝食のあと」のような決まった場面に結びついて、考えずに動くようになったものです。場面が変わると、きっかけがなくなり、習慣は崩れやすくなります。
転校した大学生を調べた研究(Wood ほか 2005)では、運動などの習慣が新しい大学でも続いたのは、行う場面のようすが変わらなかったときだけでした。出勤の日と在宅の日で朝の流れが違うなら、1 つのルーティンを毎日に当てはめず、日の種類ごとに組むのが手です。
習慣は「場面」で動く
習慣の研究では、習慣を「決まった場面(きっかけ)に出会うと、自動的に引き出される行動」と考えます。毎日の行動が習慣になっていく様子を調べた研究(Lally ほか 2010)でも、参加者は「朝食のあとに」のような決まった場面で、行動をくり返しました。
場面が毎日同じように来るほど、くり返しがそろい、習慣は身につきやすくなります。逆に、場面がばらばらだと、くり返しても「いつ、何をするか」が定まりません。
環境が変わると、習慣は崩れる
Wood らは、別の大学に移った学生の、運動・新聞を読む・テレビを見るといった習慣を調べました。習慣が移ったあとも続いたのは、行う場面のようすが変わらなかったとき(たとえば、前と同じように誰かと一緒に新聞を読んだとき)だけでした。
引っ越しや転職、生活の時間の変化で、続けていたことが急にできなくなるのは、意志が弱くなったからとは限りません。きっかけの場面が、なくなってしまったのかもしれません。
日によって暮らしが違うなら
出勤の日、在宅の日、休みの日で、朝起きる時間も、家を出るかどうかも違う人は多いはずです。そこに 1 つのルーティンを当てはめると、合わない日が出て、そこから崩れていきます。
- 日の種類(出勤・在宅・休みなど)ごとに、ルーティンを分けて持つ
- それぞれの日に、毎回かならず来る場面をきっかけにする(出勤の日は「家を出る前」、休みの日は「朝食のあと」など)
- どの日にも入れたいことは、どの日にもある場面(「起きたら」など)に結びつける
決めすぎない
時刻をきっちり決めると、予定がずれた日に崩れやすくなります。きっかけは、時刻でも「朝食のあと」のようないつもの行動でも、同じように習慣が身についたという研究(Keller ほか 2021)もあります。暮らしに合うほうを選んでください。
それでも崩れた日のことは、1日休んだら、習慣は途切れる?に、続けるためのほかの工夫は三日坊主の対策は?に書きました。
参考にした資料
- Wood, Tam & Witt (2005) Changing circumstances, disrupting habits. Journal of Personality and Social Psychology, 88, 918–933
- Gardner, Lally & Wardle (2012) Making health habitual: the psychology of ‘habit-formation’ and general practice. British Journal of General Practice, 62, 664–666
- Lally, van Jaarsveld, Potts & Wardle (2010) How are habits formed: Modelling habit formation in the real world. European Journal of Social Psychology, 40, 998–1009
- Keller ほか (2021) Habit formation following routine-based versus time-based cue planning: A randomized controlled trial. British Journal of Health Psychology, 26, 807–824
記事は、習慣づくりの研究を一般向けにまとめたものです。体や心の不調、眠りの悩みについては、医師などの専門家に相談してください。