三日坊主の対策は? 習慣化のコツ
習慣の研究からわかっている対策は、小さく始める、毎日かならず来る場面をきっかけにする、「もし〜なら、〜する」と前もって決めておく、自分で選んだ・楽しめる行動にする、の 4 つが中心です。続けた日を記録すること、1 日休んでもやめないことも助けになります。
習慣は、同じ場面で同じ行動をくり返すうちに、考えなくても体が動くようになったものです。意志の力で毎回がんばるより、がんばらなくても始まるしくみをつくるほうが、続きやすくなります。
小さく始める
習慣づくりの研究者たちは、一般向けの論文(Gardner ほか 2012)で、小さくて手に負える変化をめざすようにすすめています。うまくいかないと、やる気がなくなってしまうからです。
「毎日 30 分走る」より「靴をはいて外に出る」、「本を 1 章読む」より「1 ページ開く」。毎日できる大きさにしておくと、くり返しが途切れにくくなります。
きっかけの場面を決める
習慣は、決まった場面(きっかけ)に結びついて動きます。Gardner らは、毎日かならず来る時間と場所を選び、その場面が来るたびに行動するようにすすめています。
きっかけは「朝 9 時」のような時刻でも、「朝食のあと」のようないつもの行動でもかまいません。両方を比べた研究(Keller ほか 2021)では、どちらでも同じように習慣が身につきました。
「もし〜なら、〜する」と決めておく
「いつ・どこで・どうやるか」を前もって決めておく計画は、if-then プランニング(実行意図)と呼ばれます。94 の検証をまとめた分析(Gollwitzer と Sheeran 2006)で、目標を達成しやすくする、中くらいから大きめの効果が確かめられています。
やり方と例は、if-thenプランニングとは?にまとめました。
自分で選んだ、楽しめることにする
2024 年の研究のまとめ(Singh ほか)では、人に決められた行動より、自分で選んだ行動のほうが習慣として強くなる傾向がありました。別の研究(Judah ほか 2018)では、楽しいと感じたり、それ自体に価値を感じたりする行動ほど、1 回のくり返しで習慣が強くなりました。
「やるべきこと」の中から、少しでも気分よくできるものを選ぶ。それだけで、続く見込みは変わります。
意志が弱いから、続かないの?
自制心の高い人は、誘惑を毎回がまんしているわけではないようです。6 つの研究(Galla と Duckworth 2015)では、自制心の高い人ほどよい習慣を持っていて、そのぶん、がまんの努力を使わずに目標に向かえていました。
続かないのは、意志が弱いからとは限りません。小さく、決まった場面で、くり返す。習慣にしてしまえば、毎回の意志はあまり要らなくなります。1 日休んだときのことは、1日休んだら、習慣は途切れる?に書きました。
よくある質問
- 三日坊主とは、どういう意味ですか?
- 物事に飽きやすく、始めてもすぐにやめてしまうこと、またそういう人のことです。習慣づくりでは、始めの数日でやめてしまうことを指して使われます。
- ご褒美を用意すると、続きますか?
- この記事で参考にした研究で確かめられているのは、行動のあとのご褒美ではなく、行動そのものの楽しさの効き目です。その行動を楽しいと感じたり、それ自体に価値を感じたりするほど、くり返しで習慣が強くなりました(Judah ほか 2018)。好きな音楽をかけながらやるなど、行動そのものを少し楽しくする工夫から始めてみてください。
参考にした資料
- Gardner, Lally & Wardle (2012) Making health habitual: the psychology of ‘habit-formation’ and general practice. British Journal of General Practice, 62, 664–666
- Keller ほか (2021) Habit formation following routine-based versus time-based cue planning: A randomized controlled trial. British Journal of Health Psychology, 26, 807–824
- Gollwitzer & Sheeran (2006) Implementation Intentions and Goal Achievement: A Meta-analysis of Effects and Processes. Advances in Experimental Social Psychology, 38, 69–119
- Singh, Murphy, Maher & Smith (2024) Time to Form a Habit: A Systematic Review and Meta-Analysis of Health Behaviour Habit Formation and Its Determinants. Healthcare, 12, 2488
- Judah, Gardner, Kenward, DeStavola & Aunger (2018) Exploratory study of the impact of perceived reward on habit formation. BMC Psychology, 6, 62
- Galla & Duckworth (2015) More than resisting temptation: Beneficial habits mediate the relationship between self-control and positive life outcomes. Journal of Personality and Social Psychology, 109, 508–525
記事は、習慣づくりの研究を一般向けにまとめたものです。体や心の不調、眠りの悩みについては、医師などの専門家に相談してください。